Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
「先の人もこの花が好きだと申して、山から取って来ては、この通り庭いっぱいに植えたのでございます」
「御身の先の良人という人は、なかなか風流人であったと見える。武術の心がけもあったようであるし、文字の嗜みもあったというのに、その上こうして庭に花を植えて楽しむというのは、こんな山家住いには珍らしい人であったようじゃ」
「もとからこの山家の人ではございませんでした」
「どこから来た人?」
「上方の方から参りました、いいえ、縁もゆかりもない人で、ふとした縁から一緒になってしまったのでございます」
「甲州は四方山の国、思いにつけぬ人が隠れているそうじゃ。そんなことはどうでもよいが、甲州といえば、わしが生国はその隣り。ここへ来ると、わしもどうやら故郷へ来たような心持がして、この山一つ向うには、懐しい親子が待っているように思われてならぬわい」
「御尤もでございます、なんとかして早くお帰し申すようにして上げたいと……でも当分は、おうちのつもりで御休息をなさいませ」
家の奥の方でこの時、書物を声高に読む子供の声がします。
「よく勉強していますな。あの子は性質のよい子じゃ、よく育ててもらいたいもの」