Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

竜之助はこんなことを考えていると、

「やあ、吉田竜太郎殿ではないか」

浴室の外から呼ぶものがありました。

その声で、竜之助は空想を破られる。

「わしを吉田というのは?」

「君は眼が悪いのか、眼をどうしたかい」

「この通り眼が見えない」

「眼が見えなくても声でわかるだろう、拙者の声がわからんか」

「聞いたような声じゃ。おお、山崎ではないか」

「そうじゃ、山崎じゃ。久しぶりで意外なところで会ったな」

「全く意外なところ。おぬしはあれからどうしていた」

「いや、おぬしこそどうしていた、この物騒がしい世の中に悠々として湯治とは」

「これにはなかなか長い物語がある、湯から出て、ゆっくり話そう」

「それよりも、その眼をどうしたのか、それを聞きたい」

「これは十津川でやられた。京都から引返して来るときに、伊賀の上野で天誅組の壮士というのに捉まり、それと一緒になって十津川へ後戻り、山の中で煙硝の煙に吹かれてこうなってしまった」

「それは気の毒、全く見えないのか」

「初めのうちは少し見えたが、今は全く見えない」

「そりゃ災難じゃ、なんとか療治の仕様もありそうなものじゃ」

「療治も相当にやってみたが、本来、天のなせる罰が報うて来たのだから」