Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

「それが間違いのもとだ」

「清姫様が、スッカリこの安珍殿に打込んでしまいなすった。さあ、そこが紀州女の執念で、食いついたら放すことじゃない」

「やれやれ」

「ところが、その安珍殿というのが、この上なしの野暮で、一向お感じがない、感じないわけでもあるまいが、そこは信心堅固の山伏だ、仏法の手前があるから逃げる、姫様は離れない、寝るから起きるまで、食付き通しで離れない」

「それは大変だ」

「そこで、安珍殿も弱りきって、ぜひなく、清姫様を諭して言うことには、わしはこれから熊野権現へ行く身だから穢れてはならぬ、その代り帰りには、きっとお前の望みを叶えて上げるから、日数を数えて待っていて下さいと」

「なるほど」

「そうしておいて安珍殿は熊野へ参詣を済まし、その帰りには、この家の前を笠で面を隠して、素早く通りぬけてしまった」

「泊ればよかったに」

「清姫様は蔭膳を据えて待ちに待ち焦れておいでなさるが、日限がたっても安珍殿の姿が見えない、気が気ではない、門前を通る熊野帰りの旅僧にたずねてみると、その人ならば、もう二日も前にここを通り過ぎたはずだと教えられて髪の毛がニューッと逆さに立った」