Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
「御災難でござんすねえ」
「災難だ、災難だ。それから、あの里帰りに行ったという嫁は帰って来たのか」
「いいえ、まだお帰りござんせぬ」
「それも危ない。どのみち、この婚礼を附け込んで企んだ仕事だから、向うへも手が廻っている。結局ドチラも身代金、下手に出ると今いう通り両方の財産を振われてしまう、財産だけならよいが、女のことから出来心、人の命にかかるようなことにならねばよいが」
「何とかして上げたいものでござんす」
「うっかり出ると巻添えを食う。いや、京都あたりではこの手で浪人者にひっかかって、女房や娘を奪われたり家を潰されたりした者が幾人もある、よくない時勢だ」
「あれ、あんなに苦しがっておいでなさる御様子、誰ぞ口を利いておやりなさるお方はないものか」
「抛っておけ、あれが手だから責め殺すようなことはない」
「それでも」
「また誰かやって来たようだ、こりゃ今夜は夜通し眠れぬわい」
「もし、あなた様」
「何だ」
「あまりお気の毒でござんすから、ちょっと行って口を利いておやりなされたら」
「わしに仲裁に出ろというのか」
「この辺の人は、まるきり山の人でござんすから、とても納まりはつきますまいと存じます、あなた様が、ちょっと口を利いてみておやりなされたら――」