Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
但し、右の古金、新金の在所はこの場で訊して帰らねば、身共役目が立ち申さぬ」
「これは、いよいよ以て御難題、さらさら左様な儀は……」
「これ、まだ強情を申しおるか、責めろ」
「申し上げろ」
十手を腕の間へ入れてコジる。
「ア痛、ア痛!」
「痛いか」
「御無理でございます」
「泣いてるな。これ貴様も、苗字帯刀許されの家に生れた男ではないか、泣面かかずと潔く申し上げてしまえ」
「知らぬことは申し上げられませぬ、存ぜぬことは……あ痛ッ」
「これこれ望月、僅か三千両の金のために貴様がこうして窮命を受けるばかりではなく、あの八幡村から来た貴様の花嫁も追ってこんな目に会うのだぞよ」
「ええ、あの女房が?」
「知れたこと、亭主を責めていけなければ女房にかかる、それでわからなければ親へかかる。どうだ、これというもみんな其方が強情を張るからじゃ、僅か三千両の金、金が惜しいか女房が可愛いか」
「御無理でございます、御無理でございます」
「はははは、では女房が御城内へ引っ立てられ、親たちが縄付になっても、三千両の金は出せないと申すか」
「三千両などと申す大金が……」
「黙れ黙れ、先祖以来、公儀の眼を掠めて貯えた金銀が唸るほどあるくせに、三千両は九牛の一毛。