Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

お豊の聞こうとする本題は、ここまで来てやっと緒が解けた。

「それはね、帯というたとて、金襴や緞子でこしらえた帯ではない、天にある雲のことですよ」

「雲のこと……」

「それだけでは、まだわかりますまいね。なにしろ、それぐらいの執念ですから、この日高川の上、日高郡一帯には、まだ清姫様の怨霊が残っているのですね」

「怖いことでございます」

「その怨霊が雲になって、この日高郡の空へ現われる、それ、あちらに見える鉾尖ヶ岳から、こちらに遠く白馬ヶ岳まで、一筋の雲がずーっと長く引いた時は大変だ、それが今いう、清姫様の帯だ」

「まあ、鉾尖ヶ岳から、白馬ヶ岳まで……」

「そうそう滅多にそんなことはないがね、五年に一度とか、十年目とかに、それが現われる」

「それが現われると、どうなるのでございます」

「それが現われたら、大変だ、この竜神村一帯に大災難が起る」

「それはホントでございますか」

「ホントにも嘘にも、昔からの言い伝えで、その時は、村中の御祓い、御祈祷、お慎みをするのだ」

「その雲は夜でも……」

「夜でも昼でも、それが現われたが最後じゃ……それをいちばん初めに見た者が、あの竜神様へお告げ申して、お祈りをする、それを隠してでもいようものなら、その人には、きっと清姫様の怨霊がたたって、生きながら蛇になる」