Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
「金蔵さん……」
「何だ」
「わたし、この竜神さまへ心願をかけましたから、どうぞ、参詣をさして下さい」
「心願をかけたと……何か願いがあるのかい、何か不足があるのかい」
「いいえ、そういうわけではありませんけれど、急に信心ごころが出ました」
「そうかい、せっかくの信心ごころを止めても悪かろう。それでは、わしも一緒に行こう、ついでだから、一緒にこの竜神さまへ上って拝んで行きましょう」
金蔵は何でもお豊の言う通りです。
「けれども金蔵さん、神仏への信心は、ついででは罰が当ります、わたし一人で参りますから」
「なるほど、ついでの信心ごころはよくないかな。それでは、お前の拝むのを傍で見ていよう。さ、手をお出し、手を引いてこの石段を上らせて上げよう」
金蔵は手をとって、お豊を引き上げてやろうとするのです。
「ようございますよ、わたしは一人で参詣をして参ります、人に助けてもらっては信心になりませぬ」
「それもそうだ。それでは、わしはここで待っていよう。早く、いや、ゆっくりでもよい、お前の思い通り信心をしてくるがよい、夜明けまででも、わしはここで待っている」
金蔵は、旗幟を立てる大きな石の柱の下にうずくまって、振分けの荷物を膝の上に取下ろし、お豊の面をさも嬉しそうに見ています。