Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
「お帰りなさいまし」
と言ったが張合いのない声でした。苦り切った金蔵と兵馬とは、ふと面を見合せると、兵馬は、いま石段から転げ落ちた人が、どうやらこの人らしいと思ったが、そのままにして、自分は己れの部屋へ入ってしまいます。
床を展べに来た女中に聞いてみると、お内儀さんが、さっき出たまま、まだ帰らないので、旦那様が焦れて怒っているのだと言いました。そんなことは兵馬が聞いたって別に心配することではありませんでした。
兵馬が二階へ上った時分、金蔵の眼が一層険しくなって、天井を睨みつけたようでしたが、
「喜六、今のはありゃ、うちのお客か」
「へえ、左様でございます」
「いつごろから来た」
「旦那様が、和歌山へお出かけになって間もなく」
「そうか……」
金蔵は番頭からこれだけ聞いて、また兵馬の通って行ったあとを睨みつけて、
「一人か」
「へえ、お一人でございます」
「侍のようだな」
「左様でございます、十津川騒ぎからこちらへお越しになりました、藤堂様の組だそうでございます」
「何しに来たのだ」
「兄様の仇をたずねておいでだそうでございます」
「兄の仇?」
金蔵は、また苦り切って押黙ったが、