Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme

Aozora Bunko

「はい」

お松は返事をしながら、しゃくり上げてしまいました。

「しかし、あれも馬鹿でないから醒める時があるだろう、偽りの情から醒めてみねば、真実の旨味がわからん、どのみち、真実なものが勝つのだから、あまり心配せんがよい」

「有難うございます」

とはいったが、それもお松には、一時の気休め言葉のように思われて、自分の部屋へ転げこむと、金包を抱いて散々に泣きました。

まもなく庭を隔てた一間の障子にうつる影法師は、今の南条力。

秀でては不二の岳となり

巍々千秋に聳え

注いでは大瀛の水となり

洋々八州をめぐる……

案によって微吟し、そぞろに鬱懐をやるの体。

興に乗じて微吟が朗吟に変ってゆく。

この人は、会心の詩を朗吟して、よく深夜人をおどろかす癖があります。

志賀、月明の夜

陽はに鳳輦の巡を為す

芳野の戦ひ酣なるの日

また帝子の屯に代る

或は鎌倉の窟に投じ

憂憤まさに悁々

或は桜井の駅に伴ひ

遺訓何ぞ慇懃なる……

歌いゆくと興がいよいよ湧き、

昇平二百歳

この気、常に伸ぶることを得

然してその鬱屈に方つてや

四十七人を生ず

乃ち知る、人亡ぶと雖も

この霊未だ嘗てほろびず……

我もまた詩中の人となって、声涙共に下るの慨を生じ来るの時、廊下にドヤドヤと人の足音。