Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme
といいますと、お絹が、
「出て来たって仕方がありませんよ」
「かわいそうに、そんな薄情なことを言うもんじゃない、当人は島流し同様な境遇にいるのだから、あの気象ではたまるまい」
「なあーに、向うで、我儘いっぱいにしているでしょう」
「そうはいくまいテ、誰といって親身になって侍くものはあるまいし」
「いいえ、旧領地の人たちが、有難がって大騒ぎしているということです」
「だって、旧領地の人じゃあ仕方がない、誰かこっちから行ってやりたい親切な人はないかなあ」
「そりゃあるでしょう」
「あるならば、遠慮なく行っておやりなさい」
「知らない……」
お絹は横を向いて、絵本を取り上げてしまいました。
「怒ったのかね」
福村は御機嫌をとると、お絹はやっぱり横を向いたまま。
「お気にさわったら御免下さいよ」
それでもお絹はつんとして、絵本に見入っている。そこで福村は、
「お気を直して下さいよ」
それでもお絹は、つんとして口を利こうとはしません。
その時、急に次の間から、はした女の声で、
「あの――出羽様のお屋敷からお使の衆がお見えになりまして、今晩集まりがございまして、皆さんが大抵お揃いになりましたから、どうぞ御主人様にも、早速おいで下さるようにとのことでございます」