Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme
「あ、そうだ、忘れていた、今日は例の集まりの日であった」
福村は、急にそわそわとして、何かと用意をし、
「それじゃ行って参りますから、後のところをよろしく。なに、ちょっと面を出してすぐに戻って参りますよ、どうか御機嫌を直してお待ち下さるように」
刀をたばさんで出かけようとするから、お絹もだまってはおれず、
「行っておいでなさい」
無愛想に言った。その言葉に福村は、甘ったるい思いをしながら、ほくほくと出かけて行きました。集まりというのは、何かの賭事を意味しているこの一連の、どうらく者の集まりに相違ない。
残されたお絹は絵の本を置いて、この時はじめて、福村が買って来てくれた錦絵を一枚ずつ念入りにながめていましたが、それも見てしまうと、暫くぼんやりと物を考えているようでしたが、何か急にイヤな気がさして来た様子で、
「おとうや――」
女中を呼んだけれども返事がありません。
「いないのかえ」
だだっ広い屋敷のうちが、ひときわひっそりして、滅入りそうな心持です。
「どこへ行ったんだろう」
お絹は、だらしなく立って廊下へ出て行きました。こんな時には早く寝てしまった方がと……厠から出て手水鉢の雨戸を一尺ばかりあけて見ると、外は闇の夜です。