Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme
宇治山田の米友は、夜になって、その宿所なる小石川の伝通院の学寮へ帰って来ました。現在の米友の仕事は、ここで、雑巾がけをするだけのことですが、そのうちに、寺侍たちが、いつか米友の槍の達人であることを知って、今では折々その師範役を兼ねているような有様ですから、寺内でもなくてならない人のようになっています。
「遅くなって申しわけがねえ」
と米友が詫言をいって、土間へ入り込んで来た時分に、土間では一斗も入りそうな薬鑵のつるされた炉の周囲に、寺侍だの、寺男だのが、腰掛で雑談の真最中であります。
「やあ、友造どのお帰りか」
ここでは友造の名で通っている。
「遅くなって済まねえ」
笠をとり、風呂敷包を解きながら、再び申しわけをしましたけれど、実はそんなに夜が遅いのではありません。ただ予定通りに帰れなかったことを、米友として、しきりに申しわけながっているのだが、誰も別してそれを咎めようとする人もなく、かえって寺侍の一人が、意味ありそうにニヤニヤと笑って、
「友造どの、奢らなくってはいけないぜ」
「ナゼ?」
米友が円い眼をクルクルさせると、
「なんと皆の衆、今日はひとつ、友造どんに奢らせなければなるまい」