Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme
「お前に許しを受けなくったって通らあな、天下様の往来だ……」
天下様の往来とはいいながら、この場合において、この男は大手を振って通るわけにはゆきません。提灯を左に持って、杖槍を右にかい込んで、その円い目を、武士たるものの身のまわりへピタリとつけて、やや遠くから廻り込むようにして過ぎようとするのを、武士たるものはじっと立ってながめている。
「待たっしゃい」
米友が、ようやく半円形に通り過ぎた時分に、立っていた武士たるものが、また言葉をかけました。
「何だい」
米友は怒気を含んで答えます。
「見受くるところ、貴様は取るに足らぬ下郎ゆえ、助けて遣わそうと思ったが」
「取るに足らぬ下郎でまことに済まなかった、それがどうした」
勃然として、宇治山田の米友がタンカを切りにかかると、武士たるものが、
「推参な、下郎の分際で武士たるものの魂を足蹴にした不埒な奴、刀の手前、許すわけには相成らん」
「ばかにしてやがら」
ここで米友は冷笑を発し、
「武士たるものの魂がどうしたんだ、自分の魂を足蹴にされるようなところへほうっておくおびんずるも無かろうじゃねえか」
「何と申す、無礼な奴」