Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme

Aozora Bunko

「皆さん、ムクを大切にして下さい、お松様、あのことをお頼み致しますよ」

「何をいっていらっしゃるの、お君さん、しっかりしなくてはいけません」

「友さん……それでは、わたしを間の山へ連れて行って下さい……駒井の殿様へよろしく申し上げて、さあいっしょに帰りましょう……鳥は古巣へ帰れども、往きて還らぬ死出の旅……」

この時、お君の面からサッと人間の生色が流れ去って、蝋のような冷たいものが、そのあとを埋めてしまいました。

「誰か来て下さい……」

お松が叫んだ時、抱えていたお君の頭が、重くお松の胸に落ちかかります。

「死、死んだのかい!」

宇治山田の米友が、矢庭に飛び上ったのもそれと同時刻。

かわいそうに、お君は死んでしまいました。

まもなく、この邸の裏門から驀然に走り出だした宇治山田の米友は、相生町を真一文字に、両国橋の袂まで飛んで来て、

「これこれ、どこへ行く」

橋際の辻番の六尺棒で行手を支えられた時、

「間の山へ行くんだ」

「何だ……」

「間の山……じゃなかった、小石川へ帰るんだ」

「小石川のどこへ」

「この提灯を見ねえな」

突き出してみたけれども、あいにくのことに、その提灯に火が入っていません。