Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme

Aozora Bunko

「悪事どころじゃございません、第一、御修行中の殿様を、今、お見かけ申せば、どうやらいい心持にして上げたのも、こいつの仕業かと思いますると憎らしい」

がんりきはこういって、またも酒樽を烈しくブラブラさせる。

「これ、酒樽に罪はない、そう手荒いことをするな」

「手荒いことをするなとおっしゃったって、これが憎まずにいられましょうか、さんざん、殿様をほろ酔い機嫌のいい心持にして上げたうえに、また宿へお帰りになれば、寝酒というやつで、散々のお取持ちをする、思えば思えば、この樽めが憎らしい、憎らしい!」

がんりきは、今度は、ブン廻すように酒樽を烈しく揺ると、神尾が笑い出し、

「いいかげんにして許してやってくれ。実は近頃、全く禁酒をしているのだ、ところが今宵、碁敵の隠居に招ばれて、碁に興が乗ってくると、思わず知らず盃に手をつけたのがこっちの抜かり……四五盃を重ねて、つい、いい心持になっているところへ、隠居が気を利かせたつもりで、その一樽をばお持たせということになったので、拙者の意志ではない、先方からの好意がかえって有難迷惑じゃ」

「さればこそでございます、それほど殿様が一生懸命に行い澄ましていらっしゃるのを、外から甘えてこっちのものにしようと企む奴、いよいよ以て容赦のならぬ樽め」