Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme
た、それ故、急いで行って参ります、急いで帰るつもりではございますけれど、行きがかりで日数がかかるかも知れません、どちらに致しましても、わたくしはあの子を連れてお江戸に近いところにはおられませんから、きっと戻って参ります、それまでの間、昨晩も申し上げましたように、これから上野原へお移り下さいまし、あれに月見寺と申しまして、山家にしては大きなお寺がございます、あのお寺には、わたくしの妹がおりますから、あれへおいでになって、暫く御養生をなさいませ」
扉の外に立った女は欄干につかまって、扉の中へこれだけのことを小声で申し入れました。中へは入ろうとしないで、外でこれだけの用向をいって、中なる人の返事を待っている間に、提灯の中を上からながめているその面が、やや盛りを過ぎてはいるけれども、情味のゆたかな女で、着物もこのあたりの人とはいえないまでに、柄のうつりのよいのを着ているのが、提灯の光ですっきりと見えるのであります。これぞ、巣鴨庚申塚のほとりで、不義の制裁を受けて殺されようとした女に紛れもないのです。たしか、この女の郷里は、ここから程遠からぬ小名路の宿の、旅籠屋の花屋の娘分として育てられた女であります。