Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme

Aozora Bunko

「それでも、せっかくでございますから」

「まあ、勘弁して下さい、これが、わしの性分なのだから」

「ほんとうに残念でございます」

肝腎の金主元が、事業の出来栄えを見てくれないのをお角は残念がると、伊太夫は、

「そういうわけだから、悪く取って下さるな。それから、この金は、せっかくのこと故、わしが一旦は受納を致したことにして、改めてお前さんの方へお廻しをしたいのじゃ、この後の分ともに、それを、今お頼みした娘の方のかかりに廻してもらいたいのじゃ。娘へ手渡しをしても受取るまい、受取ったところでうまく処分ができ兼ねるだろうから、そこはお前さんが預かっておいて、都合よくやってもらいたいのじゃ。なお、国許から月々なり、或いは相当の時分に為替を組んでよこすか、または人を遣わす故、何かについて不足があらば申し越してもらいたい……証文? 左様なものは要らぬ。わしはこれで、いったん人を信用すると、最後までしたい方の人間でね、肌合いは違うけれども、お前さんなら大丈夫だと、まあ見込んでお頼みをしているわけなのだ。それに第一、娘というものが、この上もない生きた証文ではないか」

お角はこの時、さすが大家の主人だけあると思いました。