Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme
「先生、かまわないで行きましょう、そうでなければ、あの一軒家へ隠れて、先へやってしまいましょう」
最も多く心配するのはお雪です。
「おおい、お待ちなさい」
ようやく近寄って来た四人の者。
「ちぇッ」
竜之助は小癪にさわる心持で、馬から下りてしまいました。
「先生、芸もないから相手になるのはおよしなさいまし、なんだか、たいそう気味の悪いさむらいたちですから」
久助も、お雪も、馬から下りた竜之助を見て、かえってそれに驚かされました。
「小うるさい奴等だ……久助どの、お前はお雪ちゃんを連れて、その一軒家とやらへ隠れておいで……馬も、駕籠も、近くへは寄らぬこと」
馬から飛び下りて、右の手で野袴の裾をハタいて、それから笠の紐を取った竜之助の面は例によって蒼白い。いつも沈みきっている人も、時あっては小癪にさわる憤りを漂わせることがある。
「え、滅相な」
老巧の久助も面の色を変えました。この人は事をわけて相手をなだめるために下り立ったのではない、まさしく怒気をふくんで待ち受けているのです。病人であり、盲者であるこの人が……。油を以て火を迎えるようなもの。
物騒な相手よりも、相手を知らぬものが怖い。