Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme
江戸の市中にある時は、これを夜行なったから誰も見たものがない。今は白昼――よし灰色の空であっても、その裏には白日のかがやくところにおいて、おなじことをくりかえして、おなじように引上げるだけのものです。
ただ今日のは、白日荒原の上、十方碧落なきのところで、前後左右に敵を引受けた無謀と、それに相手が相当の代物だけに、その勝負の程度が問題になるので、現在こうして、歩いている以上は、とにかく、生命に異状はないらしい。だが、或いはまた、勝負は多勢に無勢の当然の結果を踏んで、その魂だけが、こうして浮びきれない荒野を、さまようて歩くのかも知れない。
それにしても仏頂寺弥助はいずれにある。三谷一馬はどうした。高部弥三次はいかに。また丸山勇仙はどこへ行った。
それらの者の影は、一つもこの荒原の上に見えないではないか。
まさか、四人が四人、枕を並べて、屍を草深いところに横たえてもいまい。
では、逃げたか――或いはまた勝って再び立場の五条源治へ引上げ、そこで祝杯を挙げてでもいるのか。
ともかくも、荒野にただ一人、机竜之助の姿は、蹌々踉々として歩み且つ止まり、この世の人が、この世の道をたどるとは思えない足どりで、それでも迷わんとして迷わず、さして行くところは、いのじヶ原の一軒家。