Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme
思えば、わしは一本の剣で二人の女の魂を貫いてしまったのだ。その二人とも、今の世には珍しいほどの純な心であったのに、この駒井の一旦の情慾から、それを殺してしまったのだ。この復讐が来るならば、いかに深刻に来るとも甘受しなければならない」
一学は、主人のいうところに熱情の籠ることを感じました。けれどもその論旨の意外なるに服することができません。
一切の責われにありと主人がいうのは、世の常の自制でもなければ、あきらめでもない、真にその通りに自覚して己れを責むるの言葉としか思われないことが、一学にとっては甚だ意外でありましたのです。
何となれば、一学は、今までわが主人のために、世間と人間とを責めてやまなかったからです。わが主人ほどの人材を容れることのできない時代は、時代が悪いのだし、またわが主人ほどの男を愛しきれない女は、女が悪いのだと、強くそう感じていたからであります。
これは、一学の観方にも相当の道理あることで、幕府が今日の危機に立って、非常に人材を要する時にあたり、ささやかの失態によって、わが主人ほどの人物を閑地に置く(生きながら殺してしまった)人物経済上の低能さかげんを、冷笑しないわけにはゆきません。