Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme

Aozora Bunko

それをその間際まで知らなかった福村が、気の毒といえば気の毒。未練の充分にある、自分には過ぎ者の女に置いてけぼりを食って、事実、お絹のいう通り、別れる時は泣いてあやまったかも知れません。

お絹としては、早く、あんな男と手を切ってしまいたかったが、いま手を切っては自分の身の落ちつきに差当って困るから、いいかげんにあやなしていたので、神尾の江戸入りがきまると、自分の運命もきまるように計画を熟させておきました。

そこで、福村をうっちゃることができて、こうして、いい気持で乗込んだのもかなりに図々しいが、今までの身持を、この際すっかり忘れて、平気でそれを引寄せて、うれしがっている神尾も神尾です。

そうかといって、お絹とても、この神尾が永久に頼みになる人間とは思っていまい。あれも一時、これも一時で、その場、その場の足がかりさえあれば、前後のことは考えておられない――といってしまえば、それまでですが、神尾は知らず、お絹としては、ここへ乗込んでくるまでに、また考えたこともあれば、ひそかに蓄えた野心もあるので、神尾をあやなしながら、まだまだ自分を捨てた気にはなりません。