Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme

Aozora Bunko

与八が、急に江戸へ出かけたくなったのもその時で、それは今になって、お松の先日いった言葉をつくづく思い出したからです。お松さんのいうのには、あのお屋敷では御老女様に大へん可愛がられているが、本来、あの屋敷というのが、国々の壮士浪人の集まりで、いつ解散されるのだかわからない。もしや御老女様が遠方の国許へでもお帰りになってしまったあとは……と、それとなく身の行末に多少の不安を述べたのを、与八は耳にハサんでは来ましたが、もともと鈍感な男のことですから、今頃になって漸くそれを痛切に思い出し、わけを話して、こっちへ来て下さいといえば、来てくれない限りはあるまい……そう思い立つと、正直な心から、一刻も早く江戸へ出かけて、お松に念を押してみたくなったのです。

お松の方でも、与八の推察通り、今、自分の身の上について、多少の不安を感じているところです。

駒井甚三郎は、ムク犬の通知によって直ちに出向いてくれました。そうして、初めて持ったわが子というものに、母として、親としての一切の仕事を、お松に頼んだのであります。お松としては、頼まれなくてもこの子をてばなす気にはなれません。