Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme
今のお角には、お君という女の死生も知らず、まためまぐるしいこのごろの生活では、ホンの少しばかり念頭に上って来ることさえ極めて稀れであったのです。
それで、あっさりと、それだけが頭脳にうつっただけで、やがて階を下って、土間から楽屋の方へと進んで行くと、楽屋の入口でやかましい人の声。
その声を聞きつけて、お角は忽ち気取ってしまいました。
寄生虫がやって来たな。
興行界を渡りあるくゴロがやって来たな、今まで来なかったのが不思議だが、果してやって来た、千秋楽を見込んでやって来たからには、ただは動くまいと、お角は度胸をきめてその方に出向くと、
「親方!」
ゴロが早くも認めて呼びかけました。その背後には四五人の同勢がいる。
「何です」
「おめでとう、大当りでおめでとう。だが親方、いいことの裏には悪いことがある、あんまり当り過ぎると罰が当るから、用心しなくちゃいけねえぜ」
「大きに有難う、それがどうしたというの」
「勝って兜の緒を締めろとはここなんだぜ、親方」
「何だかわからないよ」
「高い木は風に揉まれるというやつさ……親方が大当てに当てたもんだから、世間から目ざされるようになったんだ。