Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme

Aozora Bunko

竜之助は、こましゃくれた女の子だと思いました。

しかし、燈籠が消えては一歩も進むことができない。

「お待ちなさい、今、燈火を持って来てあげますから」

まもなく、蛍火ほどの線香を掲げて、以前の燈籠に火を入れると、その燈籠の形が髑髏になりました。竜之助は、瞬きもせずにその髑髏を見つめていると、

「あなた、その人を御存じ?」

と女の子がいいました。

「知らない」

「では、この人は?……」

女の子は前に進んで、次の燈籠へ火を入れると、おなじような髑髏の形となりました。竜之助はそれに眼をうつし、

「やはり、知らない人だ」

「そうですか、それでは、この人は?……」

といって、女の子はまた三歩進んで、次の燈籠に火を入れると、同じくそれも髑髏の形。

「知らない」

「御存じのはずなのに……」

女の子は小首を傾げて前へと進みながら、線香の火を大事にして、

「これなら、キットおわかりでしょう」

その線香を燈籠の下に入れる。と、そこに現われたのは髑髏ではありません、まさしく女の生首でありました。

「…………」

竜之助は、近く摺寄って、その生首をつくづくとながめます。

「ちぇッ」

と彼の額に白い光がひらめきました。