Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme
「正直にいってみると、差当り三百両ばかりの金が要ります」
「三百両……」
七兵衛は、そこで、ちょっと黙ってしまったのは、むろん後込みをしてしまったものと兵馬は諦め、いっそこんなことをいわない方がよかったと思っていると、七兵衛は率直に、
「よろしうございます、私が、きっとその三百両をあなた様のために、三日のうちに調えて差上げましょう。その代り私から、あなた様に一つの願いがございます」
そこで兵馬が意外の思いをしているのを、
「お願いというのはほかではありません、あのお松のことでございます。あの子は私が大菩薩峠の上で拾って来た、かわいそうな孤児なんでございます、私だって、いつまでもあの子の後立てになっているわけには参りませんし、それに、私が後立てになっていたんでは、あの子のために末始終、よくないことが起るかも知れませんので……どうかあなた様に、行末永く、あの子の面倒を見てやっていただきたいのでございます」
こういって改まって、お松という女の子の身の上を頼みます。
「それはよく心得てはいますけれども、今の拙者の身では、人の力になってやることができない」
「それは嘘でございます」