Japanische Klassiker mit Furigana
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おおさかのかのうせい
大阪の可能性
織田 作之助
Lesen Sie 大阪の可能性 (おおさかのかのうせい) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.468 Zeichen · 15 Bildschirme
もっとも、私はいつかあるお茶屋で、お内儀が芸者と次のような言葉をやりとりしているのを、耳にした時は、さすがに魅力を感じた。
「桃子はん、あんた、おいやすか、おいにやすか。オーさん、おいやすお言いやすのどっせ。あんたはん、どないおしやすか」「お母ちゃん、あて、かなわんのどっせ。かんにんどっせ」その会話は、オーさんという客が桃子という芸者と泊りたいとお内儀にたのんだので、お内儀が桃子を口説いている会話であって、あんたはここに泊るか、それとも帰るかというのを、「おいやすか、おいにやすか」といい、オーさんは泊りたいと言っているというのを、「オーさん、おいやすお言いやすのどっせ」という。その「I」の音の積み重ねと、露骨な表現を避けたいいまわしに、私は感心した、そして桃子という芸者がそれを断るのを、自分は泊ることは困る、勘弁してくれという意味で「あて、かなわんのどっせ。かんにんどっせ」と含みを持たせた簡単な表現で、しかも婉曲に片づけているのにも感心した。
それともう一つ私が感心したのは、祇園や先斗等の柳の巷の芸者や妓たちが、客から、おいどうだ、何か買ってやろうかとか、芝居へ連れて行てやろうかとか、こんどまた来るよ、などと言われた時に使う「どうぞ……」