Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おおさかのゆううつ

大阪の憂鬱

織田 作之助

Lesen Sie 大阪の憂鬱 (おおさかのゆううつ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.647 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

京都はただでさえ美しい都であった。が、焼けなかった唯一の都会だと思えば、ことにみじめに焼けてしまった灰色の大阪から来た眼には、今日の京都はますます美しく、まるで嘘のようであり、大阪の薄汚なさが一層想われるのである。

月並みなことを月並みにいえば、たしかに大阪の町は汚ない。ことに闇市場の汚なさといっては、お話にならない。今更言ってみても仕様がないくらい汚ない。わずかに、中之島界隈や御堂筋にありし日の大阪をしのぶ美しさが残っているだけで、あとはどこもかしこも古雑巾のように汚ない。おまけに、ややこしい。

「ややこしい」という言葉を説明することほどややこしいものはない。複雑、怪奇、微妙、困難、曖昧、――などと、当てはめようとしてもはまらぬくらい、この言葉はややこしいのだ。

「あの銀行はこの頃ややこしい」

「あの二人の仲はややこしい仲や」

「あの道はややこしい」

「玉ノ井テややこしいとこやなア」

「ややこしい芝居や」

みんな意味が違うのだ。そしてその意味を他の言葉で説明する事は出来ないのだ。

しかし敢て説明するならば、すくなくとも私にとって最近の大阪が「ややこしい」