Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐじんのどく
大雷雨夜の殺人 他8編
小酒井 不木
Lesen Sie 大雷雨夜の殺人 他8編 (ぐじんのどく) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.456 Zeichen · 55 Bildschirme
「けれど、嘔吐がマラリアのときに起こることは稀ではありませんか」
と、山本医師は反対した。
「いかにも稀ではあります。しかし、決してないことではありません」
と、片田博士はにっこり笑って言った。
「ヒステリーの婦人がマラリアに罹ると、はげしい嘔吐を起こしたり人事不省に陥ったりしますから、いろいろの中毒と間違えられるのです」
「そこで」
と、検事は二人の会話を横取りして言った。
「未亡人がマラリアに罹っていたとすれば、少なくとも四回の発病の際、四回ともマラリアが合併していたと考えてもよかろうと思います。いや、もう一歩進んで考えるならば、初め三回は単なるマラリアの発作で、四回めに亜砒酸中毒が合併したのではないかと思われるのであります。何となれば初め三回は首尾よく回復し、最後に絶命したからであります。で、実は、あなたは第二回からご診察なさったのですが、その際、病気は単なるマラリアの発作であったか、それとも亜砒酸の中毒症状も合併していたかをお訊ねしたいのであります」
山本医師は非常に顔を紅くし、頸筋の汗を唇を歪めて拭きながら答えた。
「いや、お恥ずかしい話ですが、わたしが初めて診察したときはなんとも病名がわからず、その次、すなわち未亡人の三回めの発病のときもマラリアとは少しも気づかず、令嬢から事情を聞いて、もしや亜砒酸中毒