Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぐじんのどく
大雷雨夜の殺人 他8編
小酒井 不木
Lesen Sie 大雷雨夜の殺人 他8編 (ぐじんのどく) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.456 Zeichen · 55 Bildschirme
と訊ねました。
わたしはその看護婦について知っているだけのことを話し、そうして、トランプに負けた者にああした悪戯書きをするのであると説明しました。
すると紳士は笑うかと思いのほか、夜目にもはっきりわかる真面目顔になり、しばらくの間黙って考え込みました。
わたしはなんとなく気まずい思いをして町田と顔を見合わせ、雨に叩かれている海の上に目を放ちました。とその時、紳士は突然、
「こんなことを言うと変に思いになるかもしれませんが、よしそれが冗談であるにしても、若い女の身体へ絵を描くことは決してなさるものではありませんよ」
と言いました。
紳士の声がいかにも鹿爪らしかったので、わたしたちは思わずその顔に見入りました。
「それはまたなぜですか」
と、町田が訊ねました。
紳士はまたもやしばらく黙っていましたが、ちょっと軽い溜息をついて、
「うっかりすると、意外な悲劇が起こらぬとも限らないからです」
と言いました。
わたしは少々薄気味の悪い思いをしました。その時、湿っぽい風が吹いてきて、夏ながらぞっとするような感じを喚び起こしました。いったいこの紳士は何者であろう。