Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐじんのどく
大雷雨夜の殺人 他8編
小酒井 不木
Lesen Sie 大雷雨夜の殺人 他8編 (ぐじんのどく) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.456 Zeichen · 55 Bildschirme
そこで持ち前の悪戯気を起こして、彼女の肉体に墨絵を描いて驚かしてやろうと決心し、機会を狙っていました。で、ある日、彼女が湯へ行ったあとでそっと彼女の部屋へ入って、紅茶の土瓶の中へ催眠剤を入れておくと、はたして彼女は紅茶を飲み、間もなく眠りました。そこでわたしは、硯箱を持って彼女に近寄り、何を描こうかと思ってふと傍らを見ると、ギリシャ神話の本が開いたままになり、メデューサの首の絵が出ておりましたので、これ究竟と、それを描いてそっと忍び出たのであります。あくる日彼女が宿を去りましたので、さては自分の悪戯のためかと少しは気になりましたが、そのまま忘れておりました。ところが偶然にも、開業してからただいまお話ししたように彼女の訪問を受け、そうしてあの恐ろしい経験をしたのであります。すべてが偶然の集合でありながら、わたしはなんとなく彼女の死に関係があるように思い、焼場で卒倒してから一時頭がぼんやりしましたので、とうとう医業を廃することになりました。これというのも彼女の執念のせいかもしれません。ことによると、彼女の魂がいまもなおわたしの身体にしがみついているかもしれません。