Japanische Klassiker mit Furigana
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てんかいっぴん
天下一品
小川 未明
Lesen Sie 天下一品 (てんかいっぴん) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.874 Zeichen · 14 Bildschirme
いつもなら、男は、くわをかついで圃に出なければならない時刻でありましたが、なんだか働くということがばかばかしくなって、その気になれませんでした。
男は、立ち上がって、たなの上からその仏像を取り下ろして、つくづくとながめていました。ほんとうに、手に取ってこうしてながめるというようなことは、幾年の間、いままでになかったのです。また、見れば見るほど、それがいいもののようにも思われてきました。
もうこの世にいない父親が、あるとき、旅のものからこの仏像を買ったということを聞いていました。
「こりゃ、いいものではないかしらん。」と、彼は、ますます考えはじめました。
村に、なんの職業ということもきまらずに、日を送っているりこう者がありました。村の人々は、その人をりこう者といっていました。この人に聞けば、役所の届けのことも、また書画の鑑定も、ちょっとした法律上のこともわかりましたので、村の中の物識りということになっていました。しかし、その人は、あまりいい生活をしていませんでした。地所の売買や、訴訟の代理人などになって出て、そんなことで報酬を得て、その一家のものは暮らしていたのですが、物識りという名が通っているので、このもののいったことは、村では、たいていほんとうにしていたのです。