Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あまくさのはる

天草の春

長谷 健

Lesen Sie 天草の春 (あまくさのはる) von 長谷 健 (はせけん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.293 Zeichen · 15 Bildschirme

Aozora Bunko

若しもあの女のわりこみを見逃していたら、私はついに七里徒歩組に編入される危い瀬戸ぎわであつた。

須子の橋がこわれていることだけは、ほんとうであつた。そこまで三十分の徒歩はしかたがなかつた。しかし私にはかえつて幸というものであつた。春の早い天草の海浜を歩くことは、もうけものでさえあつたのだ。

三十六人は、思い思いに須子のあたりに集結していた。あぶれた人たちも、トラツクを交渉してみたり、しかたがない歩くのだと、あきらめたりして、私たちの後から続々やつて来た。

バスが来た。私たちは番号札順にならんで、秩序よく乗つた。もちろん私がさいごで、バスのドアはしまることになつていた。ところが、車掌が一寸油断しているすきに、例の女が、私の後から乗つて来た。車掌は、後ればせながら、切符は、といつて女に求めた。ないのよ、といつて、女はすましている。なければだめですよ。はいれるからいいじやないの。だめですよ。三十六人にきまつているんですよ。一人位いいじやないの、だつてあんなにたくさんの人があぶれているじやありませんか。乗れるからいいじやないの、乗れるのに乗せないという法があるの。