Japanische Klassiker mit Furigana
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あまくさしろうのようじゅつ
天草四郎の妖術
国枝 史郎
Lesen Sie 天草四郎の妖術 (あまくさしろうのようじゅつ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.401 Zeichen · 17 Bildschirme
ずっとずっと昔からね。遂々逢えたのね、嬉いわ。……貴郎増田四郎さんでしょう。妾の名を聞かせてあげましょうか。妾ずっとずっとの大昔猶太という遠い国の熱い沙漠にいた頃は聖母マリアと云われていましたの。そうして今も聖母マリアよ。でもね、日本の人達は妾を大変虐めますのよ。だから迂濶々々歩けないの隠れていなけりゃならないの。……だから貴郎にお願いします。妾を自由にして下さい。隠れ場所から出して下さい」
「だって何処に隠れているの?」――四郎は不思議そうに尋ねました。
「それはね、人の胸の中に」
「マリアお姫さん。斯ういう名ね?」
「ええ、そうよ。そういう名よ。〈神の子エス・キリストの母〉斯う云ってもよいのですよ」
「大変長い名なんですね」
「愛。――斯う云ってもよいのですよ。〈人々よ互に愛し合えよ〉妾は日本の人達に斯ういう教えを説いているのですからね」
「そのお爺さんは何う云う人?」
「森宗意軒て云う人です。大変偉い人なのです。そうして妾達親子の者――エス・キリストとマリアとを大変信仰しているのですよ」
「その人、魔法を使うんですね」
「あれは切支丹伴天連の法よ」
「ああいう事行って見たいなあ」