Japanische Klassiker mit Furigana
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かのうせいのぶんがく
夫婦善哉
織田 作之助
Lesen Sie 夫婦善哉 (かのうせいのぶんがく) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.834 Zeichen · 94 Bildschirme
おれの方から見限ったのだ。……あいつはもう駄目だと、愛想を尽かしたのだ。いまに落ちぶれやがるだろうと胸をわくわくさせて、この見通しの当るのを、待っていたのだ。案の定当った。ざまあ見ろ。
ところで、いま、おれが使った此の「今日ある」という言葉を、お前は随分気に入って、全国支店長総会なんかで、やたらに振りまわしていたね。そんな時、お前は自分ひとりの力で、「今日ある」をもたらしたような口利いていたが、聴いていて、おれは心外……いや、おかしかった。なにが、お前ひとりの力で……。いまとなっては、いかな強情なお前も認めるだろうが、みなおれの力だった……。例えば、支店長募集のあの思いつきにしろ、新聞広告にしろ、たいていの智慧はみな此のおれの……。まあ、だんだんに、聴かせてやろう。
二
いつだったか、……いや、覚えている、六年前のことだ、……「川那子丹造の真相をあばく」という、題名からして、お前の度胆を抜くような本が、出版された。
忘れもせぬ、……お前も忘れてはおるまい、……青いクロース背に黒文字で書名を入れた百四十八頁の、一頁ごとに誤植が二つ三つあるという薄っぺらい、薄汚い本で、……本当のこともいくらか書いてあったが、……いや、それ故に一層お前は狼狽して、莫迦げた金と人手を使って、その本の買い占めに躍起と