Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

かのうせいのぶんがく

夫婦善哉

織田 作之助

Lesen Sie 夫婦善哉 (かのうせいのぶんがく) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.834 Zeichen · 94 Bildschirme

Aozora Bunko

良いが、本当は巡業の人足に雇われたのであって、うだつの上がる見込みは諦めた方が早かったから、半年ばかり巡業についてまわったあげく、到頭飛び出して大阪へ舞い戻った。

断り無しに持って来た荷物を売りはらった金で、人力車を一台購い、長袖の法被に長股引、黒い饅頭笠といういでたちで、南地溝の側の俥夫の溜り場へのこのこ現われると、そこは朦朧俥夫の巣で、たちまち丹造の眼はひかり、彼等の気風に染まるのに何の造作も要らなかった。

田舎出の客を見ると、五銭で大阪名所を案内してやる……と、寄って行く。そして、市中をガラガラ引き廻しながら、あやしげな名所案内の説明をやり、宿屋へ送りこむと、名所の説明代は一ヵ所五銭だ、六十ヵ所説明してやったから三円くれと、凄むのである。折柄、悪いところへ巡査が通り掛っても、丹造はひるまず折合ったところで、一円以下ではなかなかケリをつけなかった。当時、溝の側から貝塚まで乗せて三十六銭が相場で、九十銭くれれば高野山まで走る俥夫もざらにいた。

しかし、間もなく朦朧俥夫の取締規則が出来て、溝の側の溜場にも屡お手入れがあってみると、さすがに丹造も居たたまれず、暫らくまごまごした末、大阪日報のお抱え俥夫となった。