Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かのうせいのぶんがく

夫婦善哉

織田 作之助

Lesen Sie 夫婦善哉 (かのうせいのぶんがく) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.834 Zeichen · 94 Bildschirme

Aozora Bunko

彼等は金儲けのためには義理人情もない云々と書き立て、――それに比べると川那子丹造鑑製の薬は……と、ごたくを並べ、甚しきは医者に鬼の如き角を生やした諷刺画まで掲載し、なお、飽き足らずに「売薬業者は嘘つきの凝結」などと、同業者にまで八つ当った……。

こうして写していて、さすがのおれも気恥かしいくらいだ。というのは、お前も知っての通り、この新聞広告はれいによっておれの案だったから。

無論、新聞に広告を出すほどのことを、なにもおれの案だなどと断るまでもないことだし、また、べつだんおれの智慧を借りなくても誰にも思いつけることだが、しかし、あんなに大胆に、殆んど向う見ずかと思えるくらいには、やはりおれでなくてはやれなかったろう。費用にしろ、よくまあ使ったと思えるくらい、たとえばれいの一万九千円も、薬種問屋の払いに使ったのはそのうちの二割、あとは全部広告費に使ったのだ。二万、三万ではきかなかった。

「――そんなに広告だして、どうするんです? 良い加減にしましょう」

しまいにはお前も心配……いや、怒りだした。

「――莫迦! むかし新聞で食っていたこともあるというのに、訳のわからぬことをいうな。