Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かのうせいのぶんがく

夫婦善哉

織田 作之助

Lesen Sie 夫婦善哉 (かのうせいのぶんがく) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.834 Zeichen · 94 Bildschirme

Aozora Bunko

それと、もうひとつこれもおれの智慧だが、同じ薬に上製と特製の二種類を設けたことが、非常に効果的だった。どうせ、中身はたいして変らぬのだが、特製といえば、なにか治りがはやいように思って、べらぼうに高価いのに、いや、高価いだけに、一層売れた。知らぬ間に、お前は巨万の金をこしらえていたのだ。

七

おれの目的、同時にお前の宿願はこうして遂に達せられたわけだが、さて、お前は巨万の金をかかえてどうするかと見ていると、簡単に俗臭紛々たる成金根性を発揮しだした。

上本町に豪壮な邸宅を構えて、一本一万三千円という木を植えつけたのは良いとして、来る人来る人をその木の傍へ連れて行き、

「――こんな木でも、二万円もするんですからな、あはは……」

「――いっそ木の枝に『この木一万三千円也』と書いた札をぶら下げて置くと良いだろう」

と、皮肉ってやると、お前はさすがにいやな顔をした。「諸事倹約」「寄附一切御断り」などと門口に貼るよりも未だましだが、たとえば旅行すると、赤帽に二十円、宿屋の番頭に三十円などと呉れてやるのも、悪趣味だった。もっとも、これは大勢人の見ている時に限った。