Japanische Klassiker mit Furigana
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きかいなさいかい
奇怪な再会
Lesen Sie 奇怪な再会 (きかいなさいかい) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.996 Zeichen · 43 Bildschirme
おまけに風に吹かれた雲が、御日様の前を飛ぶからですが、膝へ犬をのせた御新造の姿が、しっきりなしに明るくなったり暗くなったりするじゃありませんか? あんなに気味の悪かった事は、この年になってもまだ二度とは、出っくわした覚えがないくらいですよ。
「ですから犬が死んだ時には、そりゃ御新造には御気の毒でしたが、こちらは内々ほっとしたもんです。もっともそれが嬉しかったのは、犬が粗をするたびに、掃除をしなければならなかった私ばかりじゃありません。旦那様もその事を御聞きになると、厄介払いをしたと云うように、にやにや笑って御出でになりました。犬ですか? 犬は何でも、御新造はもとより、私もまだ起きない内に、鏡台の前へ仆れたまま、青い物を吐いて死んでいたんです。気がなさそうに長火鉢の前に、寝てばかりいるようになってから、かれこれ半月にもなりましたかしら。……」
ちょうど薬研堀の市の立つ日、お蓮は大きな鏡台の前に、息の絶えた犬を見出した。犬は婆さんが話した通り、青い吐物の流れた中に、冷たい体を横たえていた。これは彼女もとうの昔に、覚悟をきめていた事だった。前の犬には生別れをしたが、今度の犬には死別れをした。