Japanische Klassiker mit Furigana
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きかいなさいかい
奇怪な再会
Lesen Sie 奇怪な再会 (きかいなさいかい) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.996 Zeichen · 43 Bildschirme
「今日僕の友だちに、――この缶詰屋に聞いたんだが、膃肭獣と云うやつは、牡同志が牝を取り合うと、――そうそう膃肭獣の話よりゃ、今夜は一つお蓮さんに、昔のなりを見せて貰うんだった。どうです? お蓮さん。今こそお蓮さんなんぞと云っているが、お蓮さんとは世を忍ぶ仮の名さ。ここは一番音羽屋で行きたいね。お蓮さんとは――」
「おい、おい、牝を取り合うとどうするんだ? その方をまず伺いたいね。」
迷惑らしい顔をした牧野は、やっともう一度膃肭獣の話へ、危険な話題を一転させた。が、その結果は必ずしも、彼が希望していたような、都合の好いものではなさそうだった。
「牝を取り合うとか? 牝を取り合うと、大喧嘩をするんだそうだ。その代りだね、その代り正々堂々とやる。君のように暗打ちなんぞは食わせない。いや、こりゃ失礼。禁句禁句金看板の甚九郎だっけ。――お蓮さん。一つ、献じましょう。」
田宮は色を変えた牧野に、ちらりと顔を睨まれると、てれ隠しにお蓮へ盃をさした。しかしお蓮は無気味なほど、じっと彼を見つめたぎり、手も出そうとはしなかった。
十五
お蓮が床を抜け出したのは、その夜の三時過ぎだった。