Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
きだんクラブ〔せんごばん〕
奇談クラブ〔戦後版〕
野村 胡堂
Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.545 Zeichen · 23 Bildschirme
プロローグ
プロローグ
それは四回目の奇談クラブの席上でした。
その日の話し手桜井作楽は、近頃では珍らしい和服姿――しかも十徳を着て頤※(「髟/(冂<はみ出た横棒二本)」、第4水準2-93-20)を生やした、異様な風体で、いとも悠揚と演壇に起ったのです。
真珠色の光の中に、二十四人の会員と、その半数ほどの臨時会員は、美しき会長吉井明子夫人を中心に、期待に張り切って、この一風変った話し手を見詰めて居ります。
「さて皆様、私の話は、自由自在に歓楽の夢が見られるという、世にも不思議な枕の物語でございます」
壇上の桜井作楽は山羊※(「髟/(冂<はみ出た横棒二本)」、第4水準2-93-20)をしごき乍ら、こう語り始めました。
「――斯う申し上げたら、何を馬鹿なと皆様ははなっから笑われるかも知れませんが、私は決して出鱈目を申すのではございません。皆様のうちでも御年配の方は、明治の中頃まで、日本橋の照降町に、桜井屋という、枕を専門に商う不思議な店のあったことをご存じかと思います。――何を隠しましょう、私桜井作楽は、その桜井屋の血統の者で、枕を商う稼業は廃しましたが、家に伝わる旧記の中から、この奇怪至極な話を見付け出しましたので、幹事今八郎さんにお願いして、皆様に御披露する次第でございます」