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Japanische Klassiker mit Furigana

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きだんクラブ〔せんごばん〕

奇談クラブ〔戦後版〕

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.545 Zeichen · 23 Bildschirme

Aozora Bunko

と言ったのは、二十五六の逞しい方、秋月九十郎と言って、僅か五十俵を食む安御家人でした。

「何んの其方如きに」

我慢の歯を喰い縛って、それを迎えたのは、一つ二つ年嵩の、妻木右太之進という、これも五十俵そこそこの御家人ですが、此方は内福らしくて身扮もよく、身体も顔立も華奢で、美男といっても可笑しくない男振りです。

「よし、その気なら、容捨はせぬぞ、来い」

「応ッ」

刃は僅に合いました。切尖と切尖が、昆虫の触角のように触れて、ジーンと背筋を走るような電気が腕に伝わると、二人は思わず一歩ずつ飛退って、必死の構えを立て直します。

何方も大した腕ではなく、どちらも命が惜しくてならなかったのですが、妙な意地で両立し難い羽目に陥り、本所相生町の友人の宅で落合った帰り、何方から誘うともなく、浜町河岸の淋しいところに来て、斯う抜き合せることになったのです。

二人の争の原因となったのは、組頭伊奈長次郎の娘お綾といって、十九の厄の素晴らしい美人でした。お綾の美しさは、人間離れのしたもので、近松門左衛門の「笹野権三は油壺から出たよな男」なら、お綾はさしあたり「蜜の瓶から出たよな娘」