Japanische Klassiker mit Furigana
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きぞくひがん
奇賊悲願
海野 十三
Lesen Sie 奇賊悲願 (きぞくひがん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.375 Zeichen · 19 Bildschirme
「お前さんは物騒でないのかい」
と貫一は、ちょっとからかった。
「とんでもない。私は刑事ですよ」
「刑事? ははン、それはどうも……」
「じゃあ、気をつけてお出でなせえ、さようなら」
縞馬の刑事は、向こうへすたすたといってしまった。後に貫一は、忌々しげに舌打をした。
さあ仕事だ。今のうちに早いところ仕留めて置こうと、貫一はそれから森の中へ入っていった。
二十分ばかり経つと、森の奥から、背中にむしろ包みの秘仏酒買の観世音菩薩の木像をしばりつけた貫一の姿が現われた。これは至極やさしい窃盗で得たもの、坊主たちは本堂をからにして奥へ引込んでどぶろくを沸かし、ダンス・レコードをかけてわいわいやっていた。その隙間に、至極かんたんに頂いて来たもの。
「待てッあやしい奴……」
いきなり暗闇から、月光流れる街道の真中へとび出した人影。ばらばらとこっちへ駆けてくるところを、貫一が透かしてみると、何のこと、さっき名乗った縞馬の刑事野郎であった。
無体に癪にさわった。背中に大きなものを背負っているから駆け出すわけにもいかない。ぐずぐずしていりゃあの若い奴に締められちまう。貫一の決心はついた。