Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きぐう

奇遇

芥川 竜之介

Lesen Sie 奇遇 (きぐう) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.238 Zeichen · 13 Bildschirme

Aozora Bunko

父母は二人とも目かげをしながら、水際の柳や槐の陰に、その舟を見送っていたのである。

「お婆さん。」

「お爺さん。」

「まずまず無事に芝居もすむし、こんな目出たい事はないね。」

「ほんとうにこんな目出たい事には、もう二度とは遇えませんね。ただ私は娘や壻の、苦しそうな嘘を聞いているのが、それはそれは苦労でしたよ。お爺さんは何も知らないように、黙っていろと御云いなすったから、一生懸命にすましていましたが、今更あんな嘘をつかなくっても、すぐに一しょにはなれるでしょうに、――」

「まあ、そうやかましく云わずにやれ。娘も壻も極り悪さに、智慧袋を絞ってついた嘘だ。その上壻の身になれば、ああでも云わぬと、一人娘は、容易にくれまいと思ったかも知れぬ。お婆さん、お前はどうしたと云うのだ。こんな目出たい婚礼に、泣いてばかりいてはすまないじゃないか?」

「お爺さん。お前さんこそ泣いている癖に……」

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小説家 もう五六枚でおしまいです。次手に残りも読んで見ましょう。

編輯者 いや、もうその先は沢山です。ちょいとその原稿を貸して下さい。