Japanische Klassiker mit Furigana
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ぶぎょうとにんそうがく
奉行と人相学
菊池 寛
Lesen Sie 奉行と人相学 (ぶぎょうとにんそうがく) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.053 Zeichen · 17 Bildschirme
盗みと云うことが、悪事であると云うことがそれで分らないか」
と、云った。
長吉は、また地面に伏しながら、
「御尤もでございます。が、御奉行さまのお言葉を返すようでございますが、私は金持のお武家や町人ばかりを狙っていますので、その金で向う様が、首を吊るとか身を投げるとか……」
と、云いかけるのを越前はさえぎって、
「よし分った。そちを、再度ゆるしてやるについては、江戸お構いにしよう。そちは江戸にいることがいけない。わしの知行所である越前へ送ろう。が、庄屋へ添状をつけてやるから、百姓をいたすがよかろう。わしの知行所の村は、わしが貧乏人の出来ないように、数年来心を用いたから、お前が恵んでやりたいような貧乏人もいない、またそちが金を取りたくなるような金持もいない筈だ。その上、ここ十数年来盗難など一度もない、もし今度あったら、直ぐそちがやったと云うことになる。どうだ、長吉、そこへ行って見るか」
「怖れ入りました。ありがとうございます」
と、長吉は、容易に頭を上げなかった。越前は、木鼠長吉を再び笞刑に処した。もし、老中などから異議があっても、堂々と申し開くだけの自信があった。