Japanische Klassiker mit Furigana
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おくさまとおんなこじき
奥さまと女乞食
小川 未明
Lesen Sie 奥さまと女乞食 (おくさまとおんなこじき) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.070 Zeichen · 9 Bildschirme
女のおぶっている子供は、脊中で、泣いていました。
「どうして、そんなに、その子は泣くの?」と、奥さまは、聞かれました。
すると、女乞食は、訴えるように、奥さまの顔を見上げて、
「この寒さに、かぜをひいたのでございます。」と答えた。
これを聞くと、奥さまは、自分の体に、悪寒を感じたような気がしました。かぜをひいているのに寒い風にあたってはよくないだろう。そして、こんなにうす着では、ますます冷えるばかりだろう。しかし、この女には、どうすることもできない。
「まあ、それはかわいそうに……。」と、奥さまは、同情されました。なんといって、なぐさめたらいいか、奥さまには、わからなかったのでした。
奥さまは、内へはいって、もちや、お菓子や、また、紙に包んだ銭を持ってこられて、
「帰ったら、この子にやってください。」といって、女乞食に渡されました。
乞食は、目に涙をためて、幾たびも幾たびも頭を下げて、窓の下を去りました。
後で、独り、奥さまは、ぼんやりと、思われたのです。もし、これが、うちの子であったら、どうだろう、あのかわいい坊やが、かぜでもひいたのだったら、どうだろう? 私は、こうしていられはしない。