Japanische Klassiker mit Furigana
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おんなのいっしょう
女の一生
森本 薫
Lesen Sie 女の一生 (おんなのいっしょう) von 森本 薫 (もりもとかおる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.068 Zeichen · 25 Bildschirme
精三さんたらお台所へ入って来て、どうしてもお勝手を手伝って下さるってきかないんですよ。咲やと二人で充分だと、いくらいっても、大丈夫です、大丈夫ですなんて、何が大丈夫なんだかちっともわからないわ。
章介 男が台所へ入って来てお勝手を手伝うといったらそりゃ、私は御亭主になったらこんなにあなたを大事にしますってことさ。
総子 いやだわ、叔父さまったら、だって私はやせていて五尺三寸もあるのに、精三さんたら五尺二寸しかなくって、十八貫もあるんですもの。じゃ叔父様、家で済ましてらっしゃいますね。そのつもりでいますわ。(出てゆく)
章介 ヤレヤレすると今夜もこの家庭団欒の中で独り盃を含むことになるのかなあ。
しず 何だか物足りなくてお気の毒のようですね。でも、たまには家庭のお料理で食事をした方がいいんじゃないのですか。
章介 私は厭なんですよ。自分が独り者のせいですかね。あなたがたがこんな風に賑やかににこにこしていると、時々大丈夫ですかって尋ねたくなって困る。
栄二 そりゃ、どういうことですか。
章介 さあ、そう開き直られても困るんだが、人間の幸福だとか平和だとかいうものは一枚の紙の表だけみているようなもんだという気がするのだ。