Japanische Klassiker mit Furigana
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じょゆうのおや
女優の親
岸田 国士
Lesen Sie 女優の親 (じょゆうのおや) von 岸田 国士 (きしだくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.203 Zeichen · 7 Bildschirme
昔は、たいがいの親は、子供を役者にするなどということは躊躇するだろうし、子供のそういう希望を一応退けるのが常識になつていた。近頃、戦後になつてからは、このへんがだいぶん変つて来た。僕らそのためには、大いに力をいたしたと思つているのだが――。
新劇というものが出来てから、役者の社会的地位というか、信用がいくらか向上したことは事実である。少くとも新劇に関する限りは、普通の職業を選ぶ場合と、同じような標準に近づいている。しかし戦前は「新劇役者」といつても、親は新劇の役者と、ほかの役者との区別がつかなかつたし、それに新劇の役者になるということは、生活の保障が全くないということだつたから、なか/\に警戒して、子供の俳優志望は許されなかつた。戦後、文学座なり俳優座なりの研究生募集に対して、その十倍に近い応募者があるということは、まことに隔世の思いがする。
自分の娘を役者にした親として考えることは、これからの役者は、あまり小さいときから役者の修業というものをさせなくてもいいということだ。そのための学校とか、勉強する機関が完備されていればともかくだが、職業化された劇団なりグループなりに入ると、結局安易に役者気分になつてしまつて、大成が望めない。