Japanische Klassiker mit Furigana
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じょせい
女婿
佐々木 邦
Lesen Sie 女婿 (じょせい) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.954 Zeichen · 43 Bildschirme
妙子さんに於ては万事に自分の意思が通るので、これも苦情のある筈がなかった。
或日曜の夕暮、清之介君は遊びに来ていた辻村君を玄関まで見送ってから、
「妙子さん、あなたは気分でもお悪いんですか?」
と言いながら茶の間へ入った。
「いゝえ」
と妙子さんは手にしていた夕刊を置いた。
「それなら一寸出て下さると宜かったのにね」
「でも、私、辻村さんは嫌いですもの」
「嫌いなら好きになって下さい。あの男は学校時代からの親友ですからね」
と清之介君は長火鉢のところへ坐った。
「先方で反感を持っていれば此方でも好意は持てません」
と言って妙子さんはプイッと立ってしまった。
清之介君が妙子さんの我儘に愕然として目を見開いたのはこれで二回になる。第一回は以前から清之介君の家にいた女中が気に入らないと言って、里の気に入ったのと取り換えたことであった。その折一言なかるべからずと思ったが、元来女中の更迭は主婦の権限に属することと考え直して黙っていた。しかし今度のは何うも然う行き兼ねる。嫌いだからといって主人の客に応対しないという法はない。それでは妙子さんの好かない友人や同僚とは行く/\交際が出来なくなってしまう。