Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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じょせい

女婿

佐々木 邦

Lesen Sie 女婿 (じょせい) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.954 Zeichen · 43 Bildschirme

Aozora Bunko

「何うも済みませんでした。そんなに晩くもないのに自分都合で早合点してしまって」

と機嫌よくお給仕をしてくれた。清之介君は安心した。この分では矢張り少し威張る方が宜いとさえ思った。

食事が終った時、妙子さんは、

「あなた、今夜の長唄はラジオよ」

と言った。

「長唄がラジオですか?」

「あら、間違ったわ。今夜のラジオは長唄でございますよ」

「それなら分ります。何うも変だと思いました。長唄がラジオという法はない」

と清之介君は一端遣り込めた積りだった。実務家の諧謔味は大抵これぐらいのところである。

「覚えていらっしゃいよ」

「この間は清元がラジオでしたね?」

「宜うございますわ。それなら今夜は長唄がラジオよ。長唄がラジオですから、私、聞きたいんだわ。参りましょうよ」

と妙子さんは清之介君を誘ってもう一遍お里へ行きたかったのだ。

「さあ」

と清之介君は煮え切らない返辞をした。音曲には実のところ没趣味である。里へは成るべく行きたくない。それに一日働いて草臥れていた。

「お厭?」

「さあ、何うしましょうか」

「お厭なら舎しましょう」

「私、留守番をしますから、あなた、お富をつれていらっしゃい」