Japanische Klassiker mit Furigana
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おんなごころのつよければ
女心の強ければ
豊島 与志雄
Lesen Sie 女心の強ければ (おんなごころのつよければ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.011 Zeichen · 94 Bildschirme
「御免なさい。久しぶりだったものだから、すっかり話しこんでしまって……。」
そんなことはどうでもよく、長谷川はただ投げやりな気持ちで、酒の猪口を取り上げた。
「あなた、前からそんなに、お酒あがっていらしたの。それとも……。」
「それとも……なんですか。」
千代乃の眼に光りが湛えた。
「わたしとのこと、後悔なすってるんじゃないの。」
「どうしまして。光栄としてるんです。」
「冗談ぬきにしてよ。なんだか不機嫌そうね。」
「不機嫌どころか、これで、たいへん嬉しいんです。」
そんな言葉がすらすら出るのが、長谷川自身でも意外だった。たしかに、松月館とは気分が違っていた。
「今日は、真面目にお話したいことがあるのよ。だから……。水の音がちょっとうるさいわね。」
「なあに、聞きようですよ。僕はさっき、あれを聞きながら、うとうとしちゃった。あ、ここのお嫁さん、あなたの琴のお友だちですって。水音も、お琴の音みたいなもので……。」
「あら、こないだのことを言っていらっしゃるの。」
彼女は声を立てて笑った。
「あれ、わたしの策略よ。大成功だったわ。」
彼女はそれを独りで楽しむかのように、なかなか話さなかったが、いちど口を切ると、例の通り、明けすけにぶちまけてしまった。